No.129・『 1Q84 BOOK 3 』4月発売! @ ’2010元旦新聞(2)

kneedrop2010-01-22

         【 七十二候 】  
1月25日   水沢氷りつめる (さわみずこおりつめる)・・・・・沢に氷が厚く張りつめる。
A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』−12
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
それではまず、新潮社の広告が一番センセーショナルでしたし、内容もグッときました。
広告の内容はあの村上春樹の話題作の『1Q84』のBOOK 3(3巻目)の発売を今年の4月に決定したという内容の広告です。この番組でも3巻の発売は著者自身からインタビューの中で発言があった昨年の10月の上旬にNo.92で取り上げました。今年の夏発売したい!という内容の記事でした。
そして今回は発売の月が3ヶ月ぐらい早まって、4月発売と具体的に発売の月を知らせる内容でした。
広告の内容は以下のとおりです。
1Q84 Book3  村上春樹
2009年、私たちは『1Q84 』という物語に出会い、かけがえのないものを受け取りました。
村上春樹さんは『1Q84 』で文学賞を受賞した時、こう語りました。
「我々は二千年以上にわたって、世界のあらゆる場所で、物語という炎を絶やすことなく守り続けてきたのです。その光は、いつの時代にあっても、どのような状況にあっても、その光にしか照らし出せない固有の場所を持っているはずです。
我々小説家のなすべきは、それぞれの視点から、その固有の場所をひとつでも多く見つけ出すことです。我々にできることは、我々にしかできないことは、まだまわりにたくさんあるはずです。僕はそう信じています。」
1Q84 』の炎・・・・・・その光が照らし出すのは、混沌(カオス)の時代を生きるあなた自信の物語かもしれません。
2010年、「Q」の物語はより深い森の中へ─。

4月刊行決定
物語をお届けします。
2010年 賀正 新潮社
 』              【 朝日新聞 2010年元旦の全国版 】より
という広告でした。素晴らしいキャッチコピーであり、村上春樹さんが文学賞を受賞した時の著者自身の声を元旦の新聞にに掲載してきたところが素敵でした。この文面、炎から光りという言葉に繋がれた時、なにか、気高い使命感を持った生命が「光り」という言葉に宿ったように感じました。
そして、「その光にしか照らし出せない固有の場所を持っているはずです。」といい、「我々小説家のなすべきは、それぞれの視点から、その固有の場所をひとつでも多く見つけ出すことです。」に繋げたこの文章は小説家を目指す人や、小説というものを愛してやまない人にこの広告文は見事に新しい文学の可能性を拡げ希望のメッセージとしてこころに届いたのではないでしょうか。
そして、新潮社は最後にしめくくります。物語をお届けします。とです。
それで、この4月発売決定!というのも、公的にはこの元旦に初めて知らせるために用意されたもので、元旦だからこそ受け取れたメッセージでした。(つづく)