No.85・井上陽水最高傑作!@『white』(5)

kneedrop2009-08-26

A world of 1200letters
『1200字の言葉の世界』−9

「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP 
つづいてます。  
これから『white』のアルバムについて解説します。
『white』は全11曲で作詞は「暑い夜」は白石ありすさんですが他作詞と全曲井上陽水さんで編曲:星勝さんです。
1曲目「青い闇の警告」この詩のフレーズにある『今の住所はここで、固い扉が守り』とは牢獄の事を意味しているのだが、当時、オールナイトニッポンの番組で最初に紹介されたことを覚えています。この曲を一番初めに聴いた衝撃は今も忘れない。これほどまでに、今の自分の心境を細かく書き上げられた作品はなく、ROCKテイストのアップテンポのこの曲に、事件がきっかけとなった詩情が表れている歌で、1曲目というのがまさに最高傑作のアルバムにふさわしい選曲であると同時に、歌詞の1節には自分をシニカルに表現している部分が随所にみられるが、当時の自分の気持ちを率直に語れる表現としてのソングラィティングの威力をまざまざと魅せつけられた作品でした。
2曲目、「ミスコンテスト」にある『頼りなさそうな司会者が叫ぶ』とは公判での裁判官の事を意味しているらしい。 シュールでシニカルさが十分伝わる今までにない作風であり傑作。でもやはりこの詩の箇所は凄いです。誰も見ていない 舞台の裏で 何もきめてない 掃除婦が働く。こんなすごいソングアプローチは当時少なく、感動しました。
3、「white」この歌詞は言葉のうらにあるメッセージが隠されていて日本の社会、システムのありかたを鋭くえぐっている。当時、このような比喩の詩の書き方があるのか彼の表現者としての深さを感じました。
4「 愛の装備 」美しい愛のバラード。名曲。
5、「迷走する町」まさに日本の断片を切り取った「ミスコンテスト」「white」同様この歌聴くと当初このアルバムがJAPANというのもうなずける。それはいろんな意味でまさに日本の社会そして我が国を取り巻くさまざまな事象がいろんなモチーフを上手に使い描かれているからだ。
6、「ダンスの流行 」恋愛事情がダンスになぞられている。
7、「甘い言葉ダーリン」 なんとも不思議なLOVESONGであり深い視点とこの歌に限らず全作いろんな解釈ができる奥の深いアルバムである。サビのバックコラースが心地よい。
8、「暑い夜 」作詞は白石さんだが曲が本当に暑さを感じさせる。
9、「灰色の指先 」今まで一人の人の人生にスポット当てた歌など聴いたことがなかったので、DYLANのハリケーンのように、日本でも一人の主人公について歌うことも出来る【可能だという】ことを教わった。
10、「Bye Bye Little Love」ヘッドホーンを当時よくあて聴いたことが甦ってきました。高音で高らかに裏声のようにも聞こえるサビの部分がたまらない。
このアルバム私は一番この『White』というアルバムが陽水の大最高傑作だと思います。この人の計り知れないSong writingの実力をまざまざとみせつけられた、リマスターで聴くと音がよくなっていて、今聴いてみても素晴らしい日本を代表するアルバムです。
当時このアルバムは夏に1978年7月25日に発売になり、夏休み突然の夕立と雷の音と雨垂れとヘッドホーンでwhiteを何度も何度も聴いていたことを思い出しました。やはり、井上陽水といえば私が好きなアルバムは『招待状のないショー』と『White』と『スニーカーダンサー』というアルバムです。(なんか書いていたら熱くなってしまい800字をゆうに超えてしまいすみません)なんか78年ごろは世の中は閉塞感が強くこのアルバムに反映されています。 (つづく)

white

white

  • アーティスト:井上陽水
  • 発売日: 2009/03/25
  • メディア: CD
スニーカーダンサー

スニーカーダンサー

  • アーティスト:井上陽水
  • 発売日: 2009/03/25
  • メディア: CD