No.227・『 縄文聖地巡礼 』@《BOOKREVIEW》(2)

kneedrop2010-06-09

《BOOK REVIEW》−NO.16
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
                          生と死は一体
中沢:今回、縄文の旅をはじめたひとつのおおきな理由は、世界は3でできているといううことを言いたかったからなんです。ありとあらゆるところに人間の思考を超えた死の要素が組み込んであって生と死は一体になっているんだと。
坂本:狩猟民にとってはそれが当たり前だったわけですよね。毎日、他の生命を殺さないと、自分が生きていけないわけだから。それはじつは現在でもまったく同じなんだけど、それを隠そうと隠そうというように社会が整備されてきた。
中沢:自分が生きるために必ず他者を殺さないといけない。生きることと死ぬことは同じ。
坂本:だから、動物と自分たちを同一視するわけですね。
中沢:動物と人間は対象性の関係で、そういう状態で哲学をはじめると、思考は神話になっていく。生きることは、殺すことになる。生と死は分離できないし、矛盾したことをそのまま考えないといけない。矛盾したものを自分の中に引き受けて思考する哲学が必要になってくるんですね。哲学っていつもそういうものだと思うんです。だから哲学者は政治家から嫌われる。(笑い)ものごとをややこしくくするから。哲学っていうのは、敵と味方にわけない。
坂本:敵でも殺せない逡巡しないといけなかったら。政治には向かない。
中沢:イエスはほんとうにラジカルでした。
坂本:「敵を愛せ」ってね
中沢:ユダヤ教は「復讐しろ」って言ってるのに、イエスは「右の頬を打たれたら、左の頬を出せ」と言う。ものを考え、その考えを実行するということを突き詰めれば、そこにたどり着いてゆく。たとえ現実思考や政治思考に笑われても、その思考の価値は傷つけることはできません。
坂本:「ダライラマ法王も「敵はよき教師である」と
中沢:いまの哲学ではそのことをあまり強く言わなくなってしまったけど、矛盾したことを自分のなかに引き受けるのが哲学だった。その最大の障害は政治ですね。デリダが生涯かけて戦っていたのも、そのこと。デリダが最終的にたどり着いた自分の思想的な地点は第3項だと言っているのは、そういうことだと思う。たしかにヨーロッパ哲学がたどりついた最高地点として出てくるんだけど・・・・・・。
坂本:そんなことは縄文人はたちはみんな知っていた。
中沢:それをぼくらは見て歩き、現場に立ち、彼らの思考方法をたどることによって、それを甦らせたいと思うんだ。(つづく)


音楽図鑑完璧盤

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お知らせ
この番組で以前オンエアしたNo.43・DVD『100年インタビュー』@坂本龍一の箇所に最近何度か 『100年インタビュー』@坂本龍一を見ていて感銘を受けた箇所がありましたので本日、6月18日に大幅に加筆しましたのでこちらも興味がある方はご覧下さい。http://d.hatena.ne.jp/kneedrop/20090527です。















この本はしばらくの間、私の教科書として手元に置くことになることでしょう。YMOの坂本龍一サウンドストリートのDJの私の関わり、そして一人のプレイヤー作曲家編曲家音楽家、レコーディングアーチストとして、新宿高校時代から70年安保闘争学生運動にヘルメット被るピアノを弾きながら、現代思想哲学書社会学の本など読むインテリな反面現代音楽にも精通する教授と私、芸大時代は長髪で髭をたくわえサンダルを履きながら大学に通よい東京藝術大学大学院音響研究科修士課程修了。後YMOに参加後、ラストエンペラーの音楽で グラミー賞を受賞。後世界のサカモトと称される。
これからもう頭ではとても考えられないことが起きる世の中になることを察知し東京大学大学院人文科学研究科博士課程満了退学後、チベットにこころのしくみや密教の行者になるため4年間チベットに修行にゆく。