No.210・『 村上春樹 研究 』宣言!@村上春樹 (2)

kneedrop2010-05-10

A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
そして、以前からずっと思っていたんですが、「地下鉄サリン」(1995年3月20日に起きた事件)の被害者の方々にインタビューを敢行しノンフィクション本を彼は刊行したわけですが、彼がよくこの事件をテーマに選び仕事としてこの事件や被害にあわれた方々と向かい合いこの本を刊行したことは後にも先にも今となってみれば文学者としてほんとうに正しい職務を遂行したと思っています。もっと彼のこの本を書き上げたこの仕事に対して賞賛の声を私は届けるべきだと思い今このオンエアの内容を記しています。
この「アンダーグランド」の続編が刊行されていまして2巻目はオウムの信者に対してのインタビューの内容と最後に河合隼雄氏と対話の内容です。タイトルは『約束された場所でundergurand2』です。
この『アンダーグランド』と『約束された場所に』の間には1998年『文藝春秋』に’98年の4月から11月に連載された「ポスト・アンダーグランド」をもとに加筆されました。のでおよそ『アンダーグランド』の刊行が97年3月でしたのでこの間の帰還はは取材が先に進めていたとしても約1年ぐらいの間で2巻目に彼は着手しています。
この事件に関する本として忘れていけない本は私の師でもあります中沢新一先生がこの事件以後に責任編集で青土社の雑誌で「imagoイマーゴ」の1995年8月号の臨時増刊『オウム真理教の深層』という本があります。
今はおそらく雑誌なので入手は困難かもしれませんが、この本3冊をじっくり読んでいつかこの番組でも村上春樹研究のひとつの題材としてこの本をみなさんへ紹介できたらと思っています。
彼はこの時期今自分の住む日本社会を考える際に「どうしてこのような事件が起きたのかという」疑問を持ち被害似あわれた方の連絡先を調べ、テープレコーダーを持参しひとりインタビューを敢行したのです。
一人あたり1時間半から2時間かけて場合によっては4時間にも及んだインタビューもあったと。取材に協力してくれた被害にあわれた方62人の方々に。
そして彼は個人的に。そしてかくのごとき二重の激しい傷を(一つはサリンの被害、もう一つはサリンの被害に遭い、後遺症のため仕方なく会社を辞めるしかなかったもしくは会社側からやめるように仕向けられるといった2次災害のこと)の激しい傷を生み出す我々の社会の成り立ちについてより深く事実を知りたいと思うようになった。といっています。が他の文学者でも良かったわけですが、誰一人として、この当時、この社会的な、いや日本的大事件についてこの事件を題材に被害者に対して1年以上を費やし、何度もインタビューをしてこの本を書きあげようとした彼の姿勢に感銘をうけていました。
ページ数は単行本で727ページにも及ぶ大作です。この仕事に取り掛かりノンフィクションとしてこの時期にすぐ取材を敢行し後に本を刊行したのは有名な小説家としては作家では彼一人だったと記憶しています。
そのような部分にもおおきく私は感銘をうけたのです。作家としてこの事件を扱おうと思ったスタンスにです。
出発と動機としてこれは私に何が出来るのかという率直な疑問が彼を立ち上がらせたわけです。
以前にも1993 年7 月12 日に奥尻島の噴火のため現地を救済すべき立ち上がった男がいます。その時もたった一人でです。その人とは泉谷しげるさんです。自分にはなにか出来ないかと思いたち翌月の1993年8月〜泉谷しげるはたった一人で北海道・奥尻島救済キャンペーン「一人フォーク・ゲリラ」と題した路上チャリティーライブを、東京23区内で展開。
駅前で一人ストリートLIVEです。彼は「お前ら募金しろ!といっていました。後に1994雲仙普賢岳も含めチャリティー募金仲間を呼びLIVEをしチャリティー募金を募りました。(つづく)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

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若い読者のための短編小説案内 (文春文庫)

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