No.204・『 ゲゲゲの女房 』@水木しげる(5)

kneedrop2010-05-03

A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』−5
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。 
『 ゲゲゲの女房 』を楽しむ3つのポイントとは!?
1.漫画家水木しげるの妻の目を通して見た、夫婦の歩んだ長い道のりの物語。
妻・布美枝が貸本漫画家の茂と結婚したのは、昭和36年、彼女が29歳の年。
お見合いで出会ってからわずか五日後のことでした。布美枝は茂の才能を信じ、彼を支え、夫婦のきずなを強いものにしていきます。お互いのことをほとんど知らずに生活しはじめたふたりにとって、貧しい日々をともにすることは、相手のことを少しずつ知り、心の距離を縮めていくことでもあったのです。
2.変わり行く町の表情、そして失われていった町角の風景ー。ドラマの背景になるのは、『昭和』です。
昭和三十年代以降の東京を舞台に、ドラマは展開します。貸本屋、高度経済成長、東京オリンピックなど、過ぎ去った昭和を象徴するキーワードやアイテムが、ドラマのそこかしこに出てきます。夫婦が生きた昭和という時代は、マスメディアのぼっ興とともに漫画が大きな表現ジャンルに成長していく時代でもありました。夫婦が貧しさと戦っていたその時代は、漫画家・水木しげるがやがてメディアとともに巨大な存在へとなっていくことが準備されていた時代だったとも言えるのです。
3.豪華キャストの競演ー半年間の大長編ドラマは豊かな彩の絵巻のように。
ベテランから若手まで、いまもっとも輝いている出演者のみなさんが、この「ゲゲゲの女房」のために集まりました。
『原作』布枝さんへインタビューでは!
Q自伝を書かれるきっかけは?
A出版社の方に勧められまして。ひたすらお断りしたんですが、協力するからと何度も説得されまして、それじゃあということになって。そうしたら、意外に反響といいますか、同じ年代の方々から共感することが多いという葉書を頂いて、ほんとにこちらが感激ですよ。うれしかったですね。その上、NHKでドラマ化でしょ? いまだに信じられません。
Q東京へ来てみたら、水木先生はたいへん貧しかった 。
Aつらかったことも、今となれば過ぎ去った思い出です。第一、水木はおもしろい人間なんですよ。貧しさで、こっちがどうしようと思っているときでも、彼は笑っていましたからね。よく言えば人間が大きい。無頓着と言えば無頓着。ケーキ屋さんでカステラの端をどっさり買ってきて、「これ食えや。うまいぞー」って。
Q今では水木先生の漫画は、大人も子どもも夢中ですね。?
A不思議ですよね。全然かっこよくないのに。グロテスクでね(笑)。 貧乏を乗り越えて彼の漫画に日が当たったときは、来るべきときがやっと来たと心底から思いましたね。あれだけ努力した人間が報われないわけがないと思っていましたから。思い出しても泣けるくらいです。    『ゲゲゲの女房 nhk』ホームぺージより一部抜粋。
(つづく)

水木しげるの遠野物語 (ビッグコミックススペシャル)

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