No.201・『 水木サンの幸福論 』@水木しげる(2)

kneedrop2010-04-30

         【 七十二候 】
4月30日     牡丹華く  (ぼたんはなさく)・・・・・牡丹のはながさく
A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』−5
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。 
なぜか昔からよくわからないんだけど(感じることが大切で説明するのではなく好きかどうかでよい)まずはあの墓場や森の中の漫画に描かれている絵。
自然が細かく描写されているものを見ているとなんとも少年少女たちはおそらく始めに何なんだこの絵はという感じで一度見たらなんか気になる絵として心に頭に残るのではないんでしょうか。
この絵を見た時に好きかどうかというのは遺伝的なこともあるかもしれませんがこの絵がまずは好きか?
何かを感じとれたかということが始めに水木ワールドに入り込めるかどうかの分かれ道という気がします。
私は水木しげるさんが好きで昔、TVで娘がまだ小学1年生前後だった頃、NHK−のTVで水木さんの『のんのんばあとオレ』が放映されていて喜んで娘が見ていたものですから、1巻を買い与えたらいつのまにか娘の愛読書になっていました。娘にとっては「鬼太郎」より「のんのんばあ」の方がメジャーなんです。
今私はNHKで朝の連続ドラマ『 ゲゲゲの女房 』を毎日録画しています。が先日、娘に会ったらお父さん!ゲゲゲ録ってると!?いったあとに、つかさず「のんのんばあ!のんのんばあ!」と言ったあとに、向井理いいよね〜といっていました。
私にとってのこの連続ドラマのいちばんの魅力とは事実にもとづいたこの水木しげるの器の大きさと人が生きるうえで何が大切なのかということを教えてくれる所です。まあ〜ドラマ見ていてください。
いまは認められていませんから生活も貧しいですが。そしていちばんの見所は水木しげるさんの奥さまの武良布枝さん原作で奥さまから見た水木しげるさんが描かれていて大変興味ぶかいわけです。まあ〜なんとも水木さんは不思議な人柄でそんなところも紹介してゆけたらと思っています! 
そして先日この『ゲゲゲの女房』が始まる前夜祭の番組だったかで水木さんは語っていました。
「貧困の時代がながかかったわけですがぼた餅が好きでもお金を持ったからといったって一度に3個か4個しか食えないんです。」といって笑っていました。(ですからお金というものはそんなに執着するものでもないといっているのです)
こんな水木さんの名言もあります。「金はほしがるとにげる!」んん・・・納得。
自分が好きなことを仕事に持って生きてゆけることに勝ることはないんだというメッセージがあると思えますし、お金や物質ではなく人間の心構えが大切なわけで、山下達郎選手も言っていますが金を積まれても心や魂は売ってはいけないのです。
いつからか精神よりお金の方が価値が上がったような現実的な風潮が続いていますが。
それだから人を感動できる芸術は生まれないわけです。もう一度精神や人間の尊厳というものや人の思想が尊いということを経済より資本より上に考えて文化を守っていかないといけないわけです。確かにシステムやビジネスも大事なんですが、そこに騙しあいがあったり、利権が関わってくると心の病気になるんです。
そしてそんなビジネスでは長続きはしません。
この水木さんのドラマに描かれる話は昔だからみんな貧しかったんだという話ではないんです。坂本龍馬がいた幕末でもまだ人間の心には輝きがあったし、小説「坂の上の雲」の時代(明治も大正の時代も)物はありませんでしたが、人を思いやる心や向学心もあり人は将来に夢を持ち今より生き生きと暮らしていました。
現代は物質的には進化しましたが人の心は現代の方が荒廃しているように思います。物があふれ便利になったのがよくないのかもしれません。なんでもお金で片付けるようになってきているのです。寂しいです。(つづく)

水木サンの幸福論 (角川文庫)

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のんのんばあとオレ (講談社漫画文庫)

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新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)

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