No.110・レヴィ=ストロース氏死去@思想界の巨人(1)

kneedrop2009-11-22

A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』−10
こんにちは! DJ / KNEEDROPです。11月の3回目の放送です。
「普遍の祈り」この番組はFREE LIFEの提供でお送りします。
思想界の巨人、レヴィ=ストロース氏が3日に死去されました。100歳でした。
中沢新一さんからの紹介でもうずいぶん前になりますが、私もレヴィ=ストロース氏の著書『野生の思考』など私もライフワークとしてさまざまな予見を考える際にずいぶんと幅を拡げてもらいました。
レヴィ=ストロース文化人類学の先駆者であり、構造主義の父であり比較対称論を人類学に取り入れた中心的人物です。このレヴィ=ストロースは、人類学に構造主義的方法を導入し、画期的な業績をあげた。
文明を突き抜け自然の中の人類の営みからこそ、現代の難問でもある温暖化や地球規模の問題を解決する糸口があると彼はテーゼしてくれています。その突破口を与えてくれる思想性こそが今、あらためて大切なのではないかと思う。私は文化人類学の名著を読み終えて思うのは、たった1冊の本を読み終えただけなのに、読後またったく世界が違って見えててくるということを体験しました。そして読書の醍醐味も。
そんな彼レヴィ=ストロース・の偉大な足跡とエピソードと今作レヴィ=ストロースの最近の30年にも及ぶ講義録を訳した名著、中沢新一訳の講談社パロール・ドネ (講談社選書メチエ) (単行本)と そして、中沢新一さんが追悼文を11月5日付けの読売新聞の朝刊に掲載しましたので、彼の追悼文(http://www2.tamabi.ac.jp/cgi-bin/iaa/article.php?id=232)とはじめての中沢新一の『ほぼ日刊イトイ新聞〜「はじめての中沢新一」アースダイバーから芸術人類学へ』の番組から講義録も引用しながらレヴィ=ストロースにスポット当て5回にわたりオンエアします!(本来の学者としての晩年の彼の仕事のありかたにまでスポットをあて、単行本化してくれた中沢新一さんありがとう!)
フランスの文化人類学者・クロード・レヴィ=ストロースは、著書 『野生の思考』(1962年)などで、世界各地に見られる、端切れや余り物を使って、その本来の用途とは関係なく、当面の必要性に役立つ道具を作ることを紹介し、「ブリコラージュ」と呼んだ。
彼は人類が古くから持っていた知のあり方、「野生の思考」をブリコラージュによるものづくりに例え、これを近代以降のエンジニアリングの思考、「栽培された思考」と対比させ、ブリコラージュを近代社会にも適用されている普遍的な知のあり方と考えた。 
ブリコラージュ(Bricolage)は、「寄せ集めて自分で作る」「ものを自分で修繕する」こと。「器用仕事」とも訳される。元来はフランス語で、「繕う」「ごまかす」を意味するフランス語の動詞 "bricoler" に由来する。
ブリコラージュは、理論や設計図に基づいて物を作る「エンジニアリング」とは対照的なもので、その場で手に入るものを寄せ集め、それらを部品として何が作れるか試行錯誤しながら、最終的に新しい物を作ることである。

ブリコラージュする職人などの人物を「ブリコルール」(bricoleur)という。ブリコルールは既にある物を寄せ集めて物を作る人であり、創造性と機智が必要とされる。また雑多な物や情報などを集めて組み合わせ、その本来の用途とは違う用途のために使う物や情報を生み出す人である。端切れから日用品を作り出す世界各国の普通の人々から、情報システムを組み立てる技術者、その場にあるものをうまく使ってピンチを脱するフィクションや神話の登場人物まで、ブリコルールとされる人々の幅は広い。(つづく)

悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)

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野生の思考

野生の思考