No.70・泉谷しげる音楽・美術監督@狂い咲きサンダーロード(2)

kneedrop2009-07-29

《CINEMA REVIEW》−3
──────1980−ダイナマイトプロダクションNo,1 CRAZY THUNDER ROAD─────
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
ではこの映画が封切られた、1980年にタイムスリップして、この映画のパワーを伝えたいと思っています。
この映画`80年当時、こんな呼ばれ方してました。日本のインディーズ映画,アクション映画,スプラッター映画,バイオレンス映画・・・ それらの頂点に君臨する、石井聰亙監督の名を世に知らしめた、伝説の傑作カルト映画!!! と・・・。
まず『狂い咲きサンダーロード』のストーリーは幻の街・サンダーロードを舞台に、右翼と暴走族の連合軍にたった一人で戦いを挑む少年の姿を描くSFバイオレンス・アクション。
監督・石井聰亙の名を知らしめた作品で、監督はこの時、若干23歳だったのです。ストーリーの語り口は未熟だが、短いカットを積み重ねたスピーディーなアクション・シーンが個性的。
大学の卒業製作として作られた16ミリ映画だったが、東映の目にとまり35ミリにブロウ・アップ、劇場公開された。 シャブ中の少年、ゲイの右翼、マッドボンバーなど破滅的な人物が数多く登場するが、映画は底知れぬパワーが画面からにじみ出てくる前向きな作品だ。名バイプレーヤー、山田辰夫が主役デビューを飾った。
この映画、何がすごいかといえば、私がもっとも、日本のアーテイスト、表現者として、尊敬する泉谷しげるさんが、 公式的には始めて音楽と美術を監督されたことです。
そして、自分の大好きな泉谷しげるさんの音楽がたくさんながれ、泉谷さんの才能が美術表現として随所にみられる作品も以前になかったということが、私にとっては魅力のひとつになっています。
そして、この映画の主題歌、イズミヤシゲル&ザストリートファイティングメン時代の名曲「電光石火に銀の靴」です。
大きなスクリーン状このテーマ曲がかかる前、ほんの一瞬、イズミヤさんのこの曲の最初にカウントをするのですが、ワン、トゥー、スリー、フォウーと言うところが、一種の放心状態にも似たような、背筋がゾクッとするようなものを感じます。  この感じは私だけが感じるものなのか、ぜひ、みなさんも体感してみてください。
そしてこの、主題歌がスクリーン上、流れ始めると、この出演者の名前のテロップがひとりひとり、いろんな方向から画面上に入って来て、画面上その名前のテロップは止まって、そして光って、またテロップが入った方向と逆の方向に出て消えてゆくのです。これは当時、こんなカッコイイ出演者のテロップの出方を見たことがなかったので、感動しました。
そして、今回、発売になった、1回目の下に掲載しておいた、『狂い咲き』のDVDのコレクターズ・エディション版にはそして、本編ディスクですに、石井聰亙BOX版の ディスクにも収録されていた石井聰亙山田辰夫緒方明による 『狂い咲き』制作秘話を語る必聴のオーディオコメンタリーは、 通常版の方には収録されておらず、
このコレクターズ・エディション版にしか収録されていません。
このオーディオコメンタリーも興味ぶかいです。これを聞けば、このオープニングのテロップは誰のアイディアなのかわかるかも!
これも泉谷さんが考えていたとすれば、彼のセンスはやはり‘70年代中期から‘80年代以降まで泉谷しげるさんは間違いなく日本の表現者として、TOPクリエイターだったと痛感させられます。
この映画を製作された、若きクリエイティブ集団、狂映社+ダイナマイトプロダクションのパワーがおおきなスクリーンの画面状、オートバイの爆音と共にROCKBEATがあらゆるところに、炸裂しています。
泉谷さんの音楽がカッコイイ!!。
この、映画は監督の大学の卒業制作に作られた映画なので、低予算だったと思うのですが、逆にこの低予算であるがために、画面上の随所にみられる手作り感があるところも、この映画の魅力なんです。結構、いろいろな箇所で斬新な映像の表現手法がとられているのです。映画はお金ではなく、熱い魂とヤル気と創意と工夫でこんな傑作が製作できるのだ!もう一度言いいますが、、この時、石井聰互監督は、若干23歳だったのです。
キャスティングもいいですよ。新人が多いけどそして泉谷さんがいたから、あの人が、革ジャン着ながら、スプレー缶をもって、舞台の演出として、ペインティングしながら、現場で額に汗をし走り廻っていたんだろうと思います。(つづく)

狂い咲きサンダーロード [DVD]

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