No.46・CD 『out of noise』 &『commmons』@坂本龍一

kneedrop2009-05-31

《 MUSIC REVIEW ♪−4》
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
3回目の今日は教授こと坂本龍一さんの5年ぶりのCDアルバム『out of noise』と&『commmons』についてご紹介します。
はいそれでは、NEW ALBUM『out of noise』ですが、聴きましたがこりゃ〜教授すごいアルバムですね! 教授はこのアルバムに対して言っています。「響きに対する好奇心や愛着が大きくなってきていろんなものを取っ払って響きから音楽をつくれないかなと考えていたんです。」と「そしてノイズというか楽音でない響きから、一歩だけ音楽の方へ寄った感じ・・・のアルバムです。」
このアルバムはピアノや古楽器エレキギターといった既存の楽器を使ったいわゆる楽音と北極圏の氷の音やTVのニュースの音声といった‘非楽音’とが絶妙に混ざり合い実に様々な響きが提示されていているアルバムです。 
《Sound&Recordingマガジン‘0904から一部抜粋。》
(楽音とは音を振動の形態によって純音・楽音・噪音の3つに分類する場合の一つである。その場合規則的な振動が持続する音のうち、純音を除いたものをいう。 楽音には明確な音の高さを感じることができる ...)
今回私は発売当初、リスナーの方々がどのようにアルバムを捉えているのか、ネット上の書き込みなどを見ますと、PIANOで弾いている曲は3曲ぐらいで、抽象的なアルバムであり、これだという曲が少ないと言うコメントなども見ていたので正直、敬遠していたのですが、5月になり遅れながら聴いて見ると、このアルバムは教授の今までのアルバムの中でも、私は最高傑作で素晴らしいアルバムだと思いました。
なぜなら、たしかに抽象的な楽曲が多いのですが、1曲、1曲がいろいろな音に紡がれていて、聴けば聴くほど、曲ごとにいろんな想念がわき起こって来て、たとえば部屋で聴いているのに、思考は自分の過去に体験した時の情景へと誘ってくれたりとか、自分の今の内面的な心の声を捉えようとしたり、聴いているうちに心の内面へと深く深く自分で遡る体験をさせてくれたアルバムでした。 今までこのようなアルバムがあったでしょうか?
聴いているうちに心の内面へと遡る何かトリップを体験した経験は初めてでしたし、教授の楽曲でもこのような不思議な気持ちにしてくれるアンビエントなアルバムは初めてだったと思います。
既存のアルバムで雰囲気が近いといえばcendre(fennesz+sakamoto(フェネスサカモト), 2007年にクリスチャン・フェネスとのユニットとして、発表したアルバムでしょうか。
このようなアルバムを待ち望んでいた私には『out of noise_』はぴったりきます。
自分の心の内面へ誘う音楽、自分の以前の記憶の断片や軌跡を甦らせてくれると考えると、このアルバムはそういう意味ではまさにマストアイテムですし、こういうアルバムに出会えることもめったにありませんので、よいアルバムに出会えてよかったです。
音楽も歌詞がない時のほうがあたらしい何かを発見させてくれることがあります…。(つづく)

out of noise(数量限定生産)

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out of noise

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