No.45・DVD 『100年インタビュー』@坂本龍一(2)

kneedrop2009-05-28

《DVD REVIEW》−NO.1
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
教授:あの なんでしょうね。だから絵にメッセージがあるかと、たとえばメッセージのある絵も メッセージがあるわかりやすい絵もありますよね。でもピカソが言ったのはねえ。
ピカソゲルニカを描いた時にねえ。ある記者がこれは反戦のメッセージを描いたんですかといったら!?違う!とこの絵がメッセージなんだと言った。そのとおりだと思うんですけども。
音楽の他の外にメッセージが貼りついているんではなくてその音の塊(かたまり)そのものがメッセージなんですよね。これはだから言葉と違ってひとつの何かを指しているわけではないんですよね。
だから当然受け取り方は自由、千差万別なんですよ。
渡邊:その作品の塊(かたまり)、自体を呑み込んでくれ!ということですか
教授:それが一番純粋な聴き(方)、受け取り方だと思うんです。
                                  NHK『100年インタビュー』 坂本龍一より

いかがだったでしょうか!
絵画は絵画、音楽は音楽、小説は小説、映像は映像、落語は落語というように私はこの教授、ピカソの発言を聞いて飛躍して想ったのはそのジャンルジャンルで言葉で限定して伝えられないものを伝える手法があるということを認識しました。そしてそのジャンルでしか表現出来ない手法がそのジャンルの武器であり魅力が醸し出せる唯一の限られた手法なのだと感じその手法こそがMAXに展開した時に感動が魅力が最大限にわれわれに届くのではないかと想ったんです。
そして言葉何行かでこれこれこういうことを伝えたいんだと箇条書きにして伝えられないものがあるからこそ、言葉が主体の詩や小説でもあらゆる技法やレトリックや主人公や登場人物のディテーイルや背景や台詞やさまざなニュアンスの受け取り方ができる情景描写を使ってわざわざ長編小説や詩も書かれているのです。
レサーはレースを料理人はレストランを書店人は書店を漫画家は漫画をボクサーはボクシングをフォトグラファーは写真をサッカー選手はサッカーをJAZZ MANはJAZZをというように芸術に限らず、言葉で伝えられないものをあえてをそのジャンルの表現のカテゴリーの中で伝えているのです。
やはりピカソや教授はやはり究めていて鋭い視点をもたれている超一流のアーティストであると実感させられた。
ピカソキュービズムの作品を始め今回教授がスポットを当ててくれた部分に焦点を当ててみてピカソの作品の構図や色彩やタッチや作品名なども考慮して作品を鑑賞してみると新しいメッセージが受け取れることでしょう。
教授の作品も同様、鑑賞してみましょう。
この番組をご覧のみなさんの中にも坂本龍一さんのヒストリーや、音楽作品の詳細について知りたい方のために前回と今回の下にDVDと本を掲載しておきますので、是非ご覧になってみてはいかかでしょうか! 
昨年も「坂本龍一の音楽」という値段は高価ですが、作品の解説や詳細と今までのインタビュー記事なども記録された重要な本も発売になりました。
最後に私が今回のピカソや教授の発言を聞いて思ったのは私も自分自身で書店の仕事を通じて教わったことですけれども、二者択一の選択が仕事であり人生であると考えるならば。
やはり細かくやる細部や詳細に徹底的にこだわりることで何を読み取れるかそしてその現象のうらには何が隠されているのか徹底的に追求することです。
細かさを通じてその際にいかに短い時間の中で細かい点に気づき、違いをさまざまな角度から経験値を使って、与えられた条件の中で物を創作するのであれば最大限のアート(価値、センス、雰囲気、斬新さ OLDさ)と言うことを考慮して作品づくりを行います。
そしてその与えられた問題を最大限に今までの経験から教わったことをフル動員し見抜きある答えというあるべき確信にいかに迫れるかという技を真摯にそして謙虚にいかに磨きをかけ続けてゆくかが分かれ目です。
その細かい違いがどこまで気づけるかが大切です。そして知ること解ることによって人は変わるのです。その磨きをかけるひとつの手段として、人の話に注意深く耳を傾けるということが大切であるわけです。私は30年以上も音楽から始まりと書物と芸術に触れ書店の仕事を通じ細かく考えることをずっと続けてきました。(つづく)

坂本龍一の音楽

坂本龍一の音楽