No.23・『 詞人から詩人へ 』宮沢和史@《BOOK REVIEW》

kneedrop2009-02-22

《BOOK REVIEW》
こんにちは、DJ/KNEEDROPです。
みなさん、ごきげんいかかがですか。
2月の4回目の放送です。
♪〜闇の記憶この番組はフリーライフの提供でお送りします。〜♪

二十四節気では2月19日頃が雨水(うすい)と呼ばれ雪が雨に変わるとか
水ぬるみ、草木の芽が出始めるころの意です。
春はだんだん近づいているとは思いますがみなさんまだまだ朝晩、冷えますのでどうかご自愛ください。
はい。


それでは《BOOK REVIEW》 『詞人から詩人へ』 という宮沢和史さんの本を今日は紹介します。
まず著者の宮沢和史さんは1966年生まれでBAND「THE BOOM」のヴォーカリストであり作詞、作曲を担当‘93年に「島唄」が大ヒット。アルバム11枚、ソロではアルバム4枚リリースしここ10年海外でレコーディングやLIVEを行い。ブラジルの国と音楽を愛してやまない。

2006年からはヨーロッパ中南米をツアーしたメンバーで「GANG ZUNBA」で現在活動中。他にソロで寄り道のコンサートを行い詩を朗読したり詩集も刊行してます。
は〜い。それではみなさん、なぜこの本を取り上げたかといいますと、私が詩集という本の価値をこの宮沢さんの本から学び鑑賞にあたっての深さを気づかせてくれたからです。
ではこの本から宮沢和史さんの文を紹介します
【詩集は値段が高いという人がいる。僕はある友人になんで「お前は行間が白紙ばかりの本にそんな大金を払うんだ」と言われたことがある。
言われてみれば確かに、他の書物に比べて詩集の情報量は少ない。 
でも、ほぼ全てのページが白紙だったとしても、一ページにだけ、たった一行の素晴らしい言葉が記されているのならば、僕は迷わずその詩集を買うだろう。情報が欲しいんじゃない。ことばをかみしめことばが織りなす世界やその背景の中に自分がたたずむ時間を買いたいのだ。】
【詩集は開かなければただの詩集にすぎない。しかしひとたび表紙をめくるとそこは「言葉の宇宙」の入り口でありそこに一歩踏み入ると、僕らが「詩集」を所有しているのではなく、「言葉の宇宙」のなかに自分が存在しているということに気づくはずだ。】
【詩は人生をふくらましてもくれるが、どちらかというとこれまで自分が考えたことや行動したことの理由を分析するための手段である。〜なんでもいい。詩集を開いてほしい。詩はあなたと見つめあうことで「詩」となり、閉じられた本の中で詩は永遠を勝ち取る】
 
河出書房新社刊/著:宮沢和史『詞人から詩人へ』のあとがき、他から一部抜粋。


この本は朝日新聞で連載された『詞人から詩人へ』がまとまって単行本化されました。
内容は彼の好きな各詩人の22編の作品を掲載紹介している本です。
この本には彼自身による詩の朗読のCDも付いていて、そのCDも入魂のポエトリーリーディングで素晴らしく詩の言葉の宇宙を堪能できます。詩の朗読も味わいがあります。
詩に興味のある方は是非この本を体感してみてはいかがでしょうか!
昨年、喜多方の大和川酒造で宮沢和史さんの寄り道のコンサートがありました。終演後私は彼に自分で書いた詩集『闇の記憶』を差し上げました。
(おしまい)ではDJ / KNEEDROPでした。

詞人から詩人へ

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