No.22・『てのなかの詩、てのひらの歌』@和合亮一

kneedrop2009-02-15

《EVENT》
こんにちは! DJ / KNEE DROPです。
みなさんごきげんいかかですか!
2月の3回目の放送です。
この番組「闇の記憶」はフリーライフの提供でお送りします。

今日は『 詩の二都物語 2009 てのなかの詩,手のひらの歌 teno teno 』・中也がむすぶ山口と福島と・というイベントが今日、福島市の福島テレサであり、私の恩師から誘いがあり行きました。

プログラム第1部は「中也がむすぶ山口と福島 詩の二都物語」出演、俵 万智さん、谷川賢作さん、和合亮一さん、山口市長 渡辺純忠さん、福島市長 瀬戸孝則さん、他で。

第2部はことばのミュージアム2009「てのなかの詩、てのひらの詩」
詩、 短歌、音楽のコラボによるトーク&パフォーマンス
出演、俵 万智さん、谷川賢作さん、和合亮一さんです。

和合さんは福島県の詩人で、第1詩集で中原中也賞を受賞し今回、司会、進行を務めました。
今回の公演の企画の意図は中原中也山口県出身の詩人で和合さんは中也賞を受賞され10年が経過しました。

その10年の間、何度も中也の故郷、山口に出かけ彼の愛していただろう、かの地の風や光に触れた。
山口を西の都といい、自分を育てていただいたと和合さんは語っている。

和合さんの故郷福島は祖先が生き、家族や友が暮らす愛する土地で東の都と呼ぶ。やがてこの東西の二都を出会わせたい。てのなかで、てのひらで、手を結ぶ。 「山口と福島と和合亮一 prologue」より抜粋
そしてプロローグとして和合さんの詩が朗読され第一部が始まりました。


ラジオ、TVでおなじみの県民のアナウンサーによる中也と他の作家の詩の朗読が終わり、次に両市長からも朗読があり、次に俵さんの朗読は「プーさんの鼻」でこれから産まれる自分のお子さんに向けられた母の暖かな視線と愛情の詩で、うまく言葉が選びぬかれセンテンスが素晴らしい作品でした。
やはりべストセラー作家の実力ってすごいと思いました。そしてこの俵さんの作品の朗読中に谷川さんのソロのピアノと他の楽器の演奏が即効で入りステージの照明と一体となり、言葉と音楽と光のコラボに魅せられました。そして第1部が終了。


第2部では俵さんと和合さんのトークからのスタートで。
そのトークの中で和合さんから俵さんに「何のために短歌を作るのか」という質問をされました。俵さんは絶句した。
のち「私の場合は日常をモチーフに創作をしている」と答えました。
突然、このような質問を受けたらおそらくほとんどの表現者は絶句してしまうでしょう。
それからあとに谷川さんはその問いに対しての意見として、言葉巧みに「何のために短歌を作るのか」ということや読者や他者に作品を具体的に説明するよりも作品を鑑賞してもらい委ねることで良いのではないかといいました。
相手の感性は一人一人違い意味の取り方や感じ方も違うので、相手(他者)に何かを感じてもらうことが出来ればそれだけで良いということを言っていました。が私もそう感じました。
私も本来、書き手側の作品を相手(他者)に披露した時、自分の伝えたいことが伝えられたかということを欲張って考えがちですがや賢作さんのいうように相手(他者)の心に届いて、何かを感じてもらうことが出来ればそれだけで良く。
それからその先は相手(リスナーや読者)に委ねることです。


谷川賢作さんの祖父は哲学者の谷川徹三さんで無名の宮沢賢治を世に広めたひとりです。
お父さんは詩人の谷川俊太郎さんです。賢作さんは今回ステージでJAZZのアレンジで父、俊太郎さんが作詞をされている鉄腕アトムの主題歌とNHKの「その時歴史が動いた」の番組の、エンディング・テーマの曲を披露、とても素晴らしかったです。
私は手塚治虫さんが好きだからもちろん分かっていたことですけれども、私の父が作詞したというコメントもなく、鉄腕アトムをさりげなく弾いてしまう賢作さんのシャイなところも十分素敵でした。


そして和合さんの最後の詩の朗読、中原中也に向けての詩は言葉がうまく選ばれ書かれていた詩で素晴らしい作品だと思いました。会場の詩の朗読って迫力があり、とても奥が深くこころの琴線にふれました。
今回、1回目として山口市福島市交流キックオフイベントとして始めて相手(他者)に作品を発表したり伝えたり発信できる場所が出来ました。
会場には山口県の物産の即売会がなどもあり暖かい雰囲気が溢れていました。
そして相手(他者)と関われる場所が出来たという意味ではこのイベントは成功しました。 
またこの交流イベントはこれからも続けて行きたいと和合さんはいってましたので、また私も参加したいと思います。

和合さんお客様もいっぱいでイベント大成功でしたね。
お誘い頂いた恩師に感謝します。ありがとうございました。
P.S.そして俵さんの著作、新刊「プーさんの鼻」や和合さんの詩集を読み、谷川さんのCDも聴いてみたいと思いました!
(おしまい)DJ/KNEE DROPでした。