No.13 ・宮沢賢治 @ 大正15年 『農民芸術概論綱要』 (2)

kneedrop2008-12-28

A world of 1200 letters 
『1200字の言葉の世界』


「闇の記憶」 DJ / KNEEDROP つづいてます。


あとこのブログの右端に入れた賢さんの写真が、まさに1926年に撮られた写真です。
以前、読んだ本の中にこの写真の当時の面白いエピソードがありますのでお話します。
当時、賢さんは近くの写真館に連絡をして、これから私の写真を田園で撮影するよう頼んだのです。
近所の写真館の方は、なぜ田園なのか不思議だったそうです。
当時は写真館の人がある場所に呼ばれ撮影する事は珍しかったからです。
彼はちょっと前かがみになり後ろに手を組み、コートの襟を立てて帽子を被り、
こっちのアングルから撮るようにと言って写真撮影をしました。
その写真を撮った方が言うには賢さんは自分の死後、自分の活動を後世に伝えられることをひとり思い、
事前にポートレートとして、残すべく写真を撮ったのではないかという話しでした。
よく宮沢賢治は無欲でストイックな人と語られがちですが、彼はおそらくひとり野心を持っていたと思います。
俺は花巻のこの土地から、これからひとり世界を変えようと〜。 
やるな〜賢さん。ということで、


それでは宮沢賢治の1926年、『農民芸術概論綱要』の一文を紹介します。
  
      農民芸術の本質
・・何がわれらの芸術の心臓をなすものであるか・・
もとより農民芸術も美を本質とするであろう
われらは新たな美学を創る 美学は絶えず移動する

農民芸術とは宇宙感情の 地 人 個性と通ずる具体的なる表現である
           農民芸術の製作
・・いかにして着手しいかに進んで行ったらいいか・・
世界に対する大いなる祈願をまづ起せ
強く正しく生活せよ 苦難をさけず直進せよ
機により興会し胚胎すれば製作心象中にあり
連意了って表現し 定案なれば完成せらう
無意識即から溢れるものでなければ多く無力か詐欺である
髪を長くしコーヒーを呑み空虚に待てる顔つきを見よ
なべての悩みをたきぎと燃やし なべての心を心とせよ
風とゆききし 雲からエネルギーをとれ (つづく)


晶文社刊/宮沢賢治の理想》より一部抜粋粋。 


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"memory of darkness"