No.12・宮沢賢治 @ 1926年 『農民芸術概論綱要』(1)

kneedrop2008-12-12

A world of 1200 letters 
『1200字の言葉の世界』


こんにちは! DJ / KNEEDROPです。
みなさん元気でしたか!
「闇の記憶」この番組はFREE LIFEの提供でお送りします。
明日は雪のようです。どれくらい積もるのでしょうか!
積もると足元が滑りますし車を運転される方は気を付けて下さいね。
それでは今日はカルボナード島の海岸線の近くのレディオステーションからお送りします。 
それでは大変長らくお待たせ致しました。 


〜A world of 1200letters 『1200字の言葉の世界』−1〜のスタートです。
記念すべき第1回目は宮沢賢治さんです。3回にわたりオンエアします!
みなさんとこれからの時間、一緒にゆっくり楽しんでゆきたいとおもいます。


1926年(大正15年)岩手県花巻市宮沢賢治(30歳)は花巻農学校教師を辞職し一人の農民として、
新しい生活の門出に立ちます。
そこで自ら実践すべき理想を、一行一行 119行書き付けました。それが『農民芸術概論綱要』です。
全文は長すぎますので抜粋して3回にわけてオンエアします。
彼は詩人や童話作家や農業指導者や教育者だけではなく今や思想家といわれています。
彼は仕事をしながら、詩や絵や童話を書いたり、作詞/作曲をしたり、セロを弾いたり、
演劇を自分で書いて生徒に上演させたり、農民ために農事の相談を受け、無料で肥料設計書を
およそ3、000枚近く書いたりしていました。
そして、私がすごいと思うのは、宮沢賢治は無名だったのにもかかわらず日々の生活の中で、
何故、芸術を薦めたり表現をすることの大切さを伝えようとしていたのでしょうか!
たった一人で考え『農民芸術概論綱要』書いて、周りにいた人に朗読したり上記の活動をしていた点です。
今もなお彼に惹かれる魅力とはこの部分です。その後一人で自宅に羅須地人協会を設立し、
周囲の農民の方を呼び農業に関する事を教えたり、レコードコンサートや物々交換をしたりしました。
今からおよそ82年前にこの様なことを考え一人、活動をしていたのです。
彼は人生のなかで幾度か挫折し、考えを実行すると失敗の連続でした。が彼は学ぶことと表現することをやめず
他人(ひと)のために生きました。やがて病気になり37歳という若さで無名のまま亡くなっていきました。
今も彼の事を考えると、涙が流れ心が熱くなります。
私はもし彼が今生きていたら、彼のいる花巻まで自分の作品を持って会いに行ったと思います。
私は創作活動をするにあたって宮沢賢治という人に出会えて、本当に勇気づけられました。
ありがとう!賢さん。    


    

『農民芸術概論綱要』(全文から抜粋)宮沢賢治   
        序論
・・われらはいっしょにこれから何を論ずるか・・
おれたちはみな農民である ずいぶん忙しく仕事もつらい
もっと明るく生き生きと生活をする道を見付けたい
われらの古い師父たちの中にはそういう人も応々あった
近代科学の実証と求道者たちの実験とわれらの直感と一致に於論じたい
世界ぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はありえない
自我の意識は個人から集団社会宇宙と次第に進化する
この方向は古い聖者の踏みまた教えた道ではないか
新たな時代は世界が一の意識になり生物となる方向にある
正しく強く生きるとは銀河系を自らの中に意識してこれに応じて行くことである
われらは世界のまことの幸福を索ねよう 求道すでに道である 
      
      農民芸術の興隆
・・何故われらの芸術がいま起らねばならないか
會つてわれらの師父たちは乏しいながら可成楽しく生きていた
そこには芸術も宗教もあった
いまわれらにはただ労働が 生存があるばかりである
宗教は疲れて近代科学に置換され然も科学は冷たく暗い
芸術はいまわれらを離れ然もわびしく墜落した
いま宗教家芸術家とは真善若くは美を独占し販るものである
われらに購うべき力もなく 又はさるものを必要とせぬ
いまやわれらは新たに正しき道を行き われらの美をば創らねばならぬ
芸術をもてあの灰色の労働を燃やせ
ここにはわれら不断の潔く楽しい創造がある
都人よ 来ってわれらに交われ 世界よ 他意なきわれらを容れよ


晶文社刊/宮沢賢治の理想》より一部抜粋。(つづく)またネ☆(*^-^)o゙


もう一度読みたい宮沢賢治 (別冊宝島 (1463))

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読めば読むほどおもしろい宮沢賢治 (別冊宝島 1594 カルチャー&スポーツ)

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"memory of darkness"