A world of 1200 letters 『1200字の言葉の世界』
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
そしてもうひとつ(1)の内容と重複している文章がありますが
あたらしい文章もありますのでこちらも紹介します。
「ザ・ソングライターズ」企画に際して TEXT : 佐野元春
「詩=言葉」は力を失ってしまった、とよく言われます。現代詩が文学ディレッタントに終始するかぎり、そう言われても当然です。しかしどうでしょうか。唄の詩人達=ソングライターたちの言葉は、深く人々の心に届いています。
そう考えると、ソングライターたちこそが、現代を生きている詩人といえるのではないかと思います。
番組「ザ・ソングライターズ」は、毎回、一級のソングライターの方々をゲストとして招きます。聴き手は私、佐野元春。ゲストとの対話を通じて、「ソングライティングとは何か?」を探っていく内容となります。
会場は私の母校である立教大学の講堂です。これからクリエイティブ・ライティングを目指そうという高校生、大学生らにオーディエンスとして集まってもらい、ゲストへの質問などを通じて、公開講座の形式で、対話の場を実現します。
また、この公開講座は、立教大学文学部100周年記念事業の一環として行われ、ドキュメントとして記録され、NHK教育チャンネルを通じて放送されます。
私がこの企画を思いついたのは、米国で放送されているTV番組「アクターズ・スタジオ」を観たことがきっかけです。司会者や観客との対話を通じて、ゲストである役者の、演技者としてのアイデンティティが徐々に明らかになっていく様子を見て、これはすばらしいな、と思いました。
よく、人から、「作詞・作曲って、感性で作るんですよね」と、聞かれます。私はソングライティングというのは、感性も大事だけれど、けっこう、経験と技術が、ものをいうんじゃないかと思っています。
また、ソングライターは短編作家であり、一曲をせいぜい3〜4分間でまとめないといけない。これは難儀な作業です。創作方法はさまざまあれど、作家はそれぞれに、きっと独自のメソッドを持っているはずだ、と思います。
番組「ザ・ソングライターズ」では、お招きしたゲストに、曲ができた経緯や、詞についての興味深いエピソードを語っていただくことによって、ソングライティングのおもしろさを、視聴者に伝えていけたらと思っています。同時に、ソングライティングの奥深さ、表現性について、新たな視野を獲得したいと思っています。
ポップソングは時代の表現であり、時代を超えたポエトリーです。
これまで、流行歌の作詞や作曲というと、芸能の一環に含めて語られがちでした。しかし、70年代に始まり今日至る、国内のソングライターたちの充実した仕事ぶりを俯瞰してみれば、「ソングライティング」は、文学や演劇など他の表現と同様、現代的なパフォーミングアーツの一環として捉えていい、一級の表現形式だと言えます。
番組「ザ・ソングライターズ」では、そうした「音楽詩」表現の諸相を省察し、その意義と可能性を視聴者に伝えていきたいと思います。
ご参加の形式はトークのみで、音楽演奏はありません。
つきましては、ぜひ、番組の趣旨にご賛同いただき、ソングライティングについて、有意義なお話が伺えればうれしいです。よろしくお願いします。(了)
佐野元春 : オフィシャル・ファンサイト - Moto’s Web Serverより抜粋。
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BOB DYLAN、 PaulMcCartney、StevieWonder、泉谷しげる、吉田拓郎、井上陽水、甲斐よしひろ、
伊勢正三、原田真二、松任谷由実、山下達郎、吉田美和、hitomi、宮沢和史です。