No.229・『 縄文聖地巡礼 』@《BOOK REVIEW》(4)

kneedrop2010-06-12

《BOOK REVIEW》−NO.16
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。

中沢:すぐれた科学には、芸術の要素が備わっています。矛盾を表現する神話思考を現実世界に実現するためには芸術というものが必要になります。『芸術人類学』(2006年)という本のエピとしてグラフとしてレヴィ=ストロースの言葉を掲げたんですね。

どこでもいい、人間の歴史のから任意の千年、あるいは二千年を取り去っても、人間の本性に関する私たちの知識は減りもせず増えはしない。

唯一失われるものがあるとすれば、
それはこれらの千年、二千年が生み出した芸術作品だけである。
なぜなら、彼らが生み出した作品によってのみ、
人間というものは互いに異なっており、さらには存在さえしているのであるから、
木の葉が木を芽生えさせたように、作品だけが、時間の経過のなかで、
人間たちのあいだに、何かがたしかに生起したことの証となってくれるのである。

             クロード・レヴィ=ストロース『みる きく よむ 』竹内信夫

芸術作品についての大事なことが語られているっていうことですが、政治のなかには、そんなに大事なことは語られていませんからね。
坂本:国家が5000年とか6000年前に発生してきたということは、じつは人間にはそんなものはなくてもよかっていうこよですね。貨幣しかり。


この上記の言葉はクロード・レヴィ=ストロース『みる きく よむ 』竹内信夫訳の本に収録されている文章でこの文章に出会ったのは中沢新一著の『芸術人類学』の本の扉の言葉として巻頭に収められていました。
また再度、この『 縄文聖地巡礼 』でも対談された時中沢先生が話され本書に収録されています。

私はこのレヴィ=ストロースの言葉に深く感銘を受けました。私も私自身の番組『 五十嵐精一 Song Writigの 旅 』扉のことばに使わせていただきました。http://d.hatena.ne.jp/kneedrop0/20091111



みる きく よむ

みる きく よむ

芸術人類学

芸術人類学