No.78 『ノルウェイの森』村上春樹@《BOOKREVIEW》(2)

kneedrop2009-08-13

《BOOK REVIEW》−NO.7
「普遍の祈り」 DJ / KNEEDROP つづいてます。
村上春樹さんは1979年デビューしました。この『ノルウェイの森』という作品は長編小説としては5作目にあたります。この小説が発売になったのは1987年(昭和62年)です。
タイトルについて本人はこの「ノルウェイの森」というタイトルについて初めは気に入っていなかった。当初のタイトルは「雨の中の庭」というタイトルでした。(ドビュッシーの『版画』より「雨の庭」 (Jardins sous la pluie)から)で書き始められ)途中で「ノルウェイの森」というタイトルに変更された。
題名に迷った村上さんが妻に作品を読ませて意見を求めると、「ノルウェイの森でいいんじゃない?」という返答があった。
1作目「風の唄を聴け」を書いた頃は、僕は死とセックスについては書かないとテーゼしていたのですが、この 『ノルウェイの森』の小説ではそれを全部ひっくり返したかったといっています。とことん 死とセックスについて書いてみようと想ったそうです。この小説、かなり死とセックスについて書きこまれていますが、確かに「ノルウェイの森」というタイトルよりは「雨の中の庭」というタイトルは地味ですが、恋愛小説と考えるとなかなかよいタイトルではなかったかなと思います。
そして、この小説は短編「蛍」(蛍・納屋を焼く・その他の短編に収録されている)を軸に書かれたのですが、当初、400字詰め原稿用紙300枚ぐらいのさらりとした恋愛小説を書くつもりでいたが、結果的に800枚の長編小説になってしまったと、本人は語っています。
この本の斬新な装丁、赤と緑のカバーの表紙と帯のコピーも著者、本人が決めました。表紙の上巻は血を思わせる赤色は生命力の世界を表し、下巻の深い森を思わせる緑色は死の世界を象徴しています。各巻のタイトルなどは、それぞれ反対側の色で印刷されていて、こんな所にも「死は生の対極としてではなく、その一部として存在している」という著者の考えを反映しています。帯には「100パーセントの恋愛小説です。」と書かれていますが、本当は 著者は【これは100パーセントの村上春樹のリアリズム小説です。】と書きたかったそうです。     
                               (村上春樹ブック・文学界‘91年4月臨時増刊)より一部抜粋。
私も読んだのがかなり前でしたので、この番組でオンエアすることもあり、今回10何年ぶりに再度、またこの魅力的な登場人物に会いにゆくため、二三日前から読み始めました。
まだ読んでいない方もいると思いますので、あらすじはお話ししません。
今上巻の終わりの方ですが、いや〜なんとも緑ちゃんの描写が生き生きとしていて、またまた圧倒されました。
この『ノルウェイの森』という小説のタイトルはビートルズの「ラバーソウル」というアルバムの2曲目に収められている曲のタイトルから引用されています。
ノルウェイの森』という楽曲はどうのように誰が書いたのか気になりますので、`80年当初に出版されたジョン・レノンのプレイボーイ・インタビューの本の中に、ビートルズの楽曲の解説が載っていますので確認してみますね。
ジョン自身がこれは僕の曲だといっています。シタルーが入った最初のPOP SONGだ。
ぼくはジョージにギターソロをシタールで弾いてくれって頼んだ。
なんで「ノルーウェイの森」が出てきたのかも、ぼくはわからない。とジョンはいっています。
そして、小説『ノルウェイの森』は南ヨーロッパで約、4ヶ月間で書かれました。期間は冬から春先までです。
前半はギリシャで途中はシシリーをはさんで、後半はローマで書かれています。
アテネの安ホテルの部屋にはテーブルというものがなくて、僕は毎日おそろしくうるさいタベルナ(食堂)に入って書いたと。そして、この小説なんとビートルズのアルバム「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド 」をウォークマンで百二十回くらいくりかえして聴きながらこの小説をかきつづけた。 と彼はそう記しています。                                                
ノルウェイの森』あとがきより一部抜粋。(つづく)

Norwegian Wood

Norwegian Wood

Haruki Murakami: Norwegian Wood

Haruki Murakami: Norwegian Wood



























































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